ゼネコン不況で就職せず、現場でアルバイトをしながら受験勉強Iさんは、C大学大学院建築学部の2年生。
T大学工学部建築学科を95年卒業し、96年の秋からここで修士課程に進んだ。 「私が卒業したころはすごいゼネコン不況だったということもあって、研究室の同期では誰も就職しませんでした。

私は、T大大学院で第一希望の研究室には入れなかったので、いろいろ考えましたが、先輩のってで、福岡の建設現場でアルバイトをすることにしました」福岡は、Iさんが中学時代を過ごした土地。 そこでF大学学生会館が施工中であり、Iさんはずっと現場に張り付き、工事を監視する仕事を引き受けた。
ヘルメットが似合いそう(笑)「そう。 ほんとにヘルメットなの。
つまり、工事が始まってからも、素材を確かめたり施工上の進行をチェックしたり、実際に目で見てみると内装を変える必要が出てくることもあって、それを判断して本部に伝え、現場に指示を出すとか、そういう現場の仕事をしていました。 とても理解があったんです。
私の中では、留学の夢は前からありました。 夏にはコロンビアのサマースクールにも行って、だいたいの雰囲気をつかみ、1人の教授から推薦状をもらうことができました。
それで、その上司に話したんです。 事務所には遅くまで残るけれど夜8時以降は受験のための勉強をさせてください、って」それが8月だったので、翌年1月まで、実質半年、準備にかけたことになる。
「この学部は、TOEFL575点、GREもあります。 でもそれよりも、決め手は提出するポートフォリオ、つまり自分で書いた設計図や、作品の絵や写真などですね。よいポートフォリオを作ることです。願書を出したのはコロンビアだけです」ところで、建築というと、男性優位の世界と思われがちだけれども…。
「この学校に来て驚いたのは、院生の比率がほぼ男女同数だということ。日本でも理系の中では女子が多い学科だったけれど、ここでは本当に数も対等。あと、人種的にも『マイノリティ』が圧倒的に多いです。アジア系が目立つ。特に中国系アメリカ人とか」私が見学させてもらったときも、作品の発表者はアジア系の男子学生の二人組。設計図を壁に貼り、模型を床に置いて説明する。それを30代くらいの女性のティーチング・アシスタントがリード、コメントし、5〜6人の学生が意見や質問を出し合うスタイルだった。マンハッタンで"ヘルズ・キッチン"と呼ばれる物騒な地域を講義や他の学生の発表内容を、サインペンで素早くスケッチ毎朝9時から、夜も夜中まで事務所に残って仕事……」それでは大学院の準備や勉強はどうやって?「そのときの上司が、自分でもアメリカ留学を経験していて、再開発するプランを練っている。

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